ストリッパ固定ガイドとは
ストリッパ固定ガイドとは、金型のストリッパプレートに固定するタイプのガイド部品となります。
主にプレス加工金型のサブガイドに使われますが、3枚プレートの射出成形金型のガイドピンとしても使われることもあります。
高い加工精度が求めれる金型や、何千万、何億ショットも安定して生産することが求めれる金型には非常に重要な製品となります。
アガトン社のストリッパ固定ガイドはこれらの要求をいくつも実現しています。
ストリッパ固定構造のメリット
アガトン社のストリッパ固定ガイド
アガトン社のストリッパ固定ガイドは様々な特長を有しており、主に電子部品製造、自動車部品製造の業界で非常に多く使用されています。
昔から使用されている電子部品業界では、ストロークスピード3000spm以上を実現し、ガイド部品寿命も1億ショットを優に超える実績があります。
さらにガイド部品寿命だけではなくプレス加工で重要なパンチの寿命も何倍にもなり、歩留まり改善などの生産性向上やコスト削減に貢献しています。

アガトン社のストリッパ固定ガイドの特長
フランジは摺動部の2倍の大きさ
アガトン社のストリッパ固定ガイドポストは、摺動部の約2倍のフランジを兼ね備えています。
フランジが大きいことで、ストリッパプレートの傾きを抑え、ガイドの直立性を保つことができます。
ガイドポストは傾きが発生すると、パンチの摩耗が顕著になり、打ち抜きのダレ、バリなどの他、ベアリングに偏荷重が掛かり摩耗を助長します。
アガトン社のストリッパ固定ガイドは、フランジによる高い直立性により、ベアリングにかかる偏荷重を抑えリテーナの長寿命化が実現するほか、打ち抜きの精度維持、パンチの長寿命化を実現します。

ガイドポスト・ボール/ローラーベアリング(リテーナ)・ガイドブッシュが同じ硬さ
アガトン社のガイドポスト・ベアリング・ガイドブッシュは全てSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)を採用しており、硬度も揃えています。
ガイドポストとガイドブッシュの硬さがベアリングの硬さに負けないため、「タテスジ痕」がほぼ入りません。
硬さ | |
ガイドポスト | HRC62-64 |
ベアリング | HRC62-64 |
ガイドブッシュ | HRC62-64 |
ボールとローラーが使い分けできる高い互換性
アガトン社のボールガイドとローラーガイドはどちらも同じガイドポストが適用できます。つまり、ボールガイドからローラーガイドへ仕様を変更する際、設計の変更はしなくてもよくなります。(一部使用するリテーナの長さによっては変更の可能性もあります)※
例えば、ボールガイドを使用していて、もう少し剛性が必要となった場合でもリテーナのみをボールリテーナからローラーリテーナに変更するだけで使用できます。またローラーガイドを使用していて、剛性は十分足りているため、ボールリテーナに変更してコストを抑えることも可能です。
また、ストリッパ固定ガイドの場合は上側ボール、下側ローラー(またはその逆)といった使い方も可能です。

※注意※
アガトン社のボールガイドからローラーガイドへの変更に限ります。
アガトン社以外のボールガイドからアガトン社のローラーガイドへ変更する際はガイドポストとガイドブッシュも合わせて変更する必要があります。
潤滑油
ボールガイドやローラーガイドを使用する際は潤滑は必須となります。
無潤滑での利用はベアリングの摩耗を極端に進めてしまう恐れがあります。
アガトンガイド専用グリスはございませんが、以下のグリスが推奨となります。
・NOKクリューバー社 Microlübe GB0(耐熱温度150℃)
・NOKクリューバー社 Kluberplex BEM 41-141(耐熱温度150℃)
・高温環境及びクリーンルーム、食品機械などへはNSF H1に登録されているBarrierta L55/2 H1がおすすめです。(耐熱温度260℃)
取付方法
アガトン社のストリッパ固定ガイドは圧入とネジ止めとなります。
圧入部の穴寸法公差はISO K5となります。
※ネジは付属しておりません。
