プロファイルローラーとは
プロファイルローラーは円筒ころを基に、偏摩耗しにくい形状でありながら剛性を極力落とさない形状に進化させたローラーベアリングです。
形状は精度の出しやすい丸物のガイドポストやガイドブッシュが使えるようにし、接触点は円筒ころの剛性を極力損なわないように線であたるように改良されました。

最も高い剛性を誇るベアリング
プロファイルローラーベアリングの剛性はボールベアリングと比較し約7倍であり、アガトン社のベアリングの中でも最も高い剛性を誇るベアリングとなっています。
そのため偏荷重がかかりやすいプレス加工金型や、横型で金型の荷重がベアリングにかかる射出成形金型に適しています。
剛性を最重視したい場合はプロファイルローラーがおすすめです。
※右図のベアリング1個当たりの剛性は一例となります。ボールリテーナとプロファイルローラーリテーナではリテーナ1個当たりのベアリング数が異なるため、必ずしも7倍になるとは限りません。詳しい個々の剛性についてはカタログをご参照ください。

ラジアル方向に回転しないガイド
プロファイルローラーガイドはアガトンローラーガイドと同様に、ラジアル方向には不回転のガイドです。
ストロークの長いプレス加工においてボールガイドでは微細なラジアル回転がパンチやダイの摩耗の原因になりますが、プロファイルローラーガイドではこのラジアル回転を抑制しパンチプレートの挙動安定性を高め、パンチやダイの長寿命化に貢献します。

プロファイルローラーの互換性
プロファイルローラーガイドはボールガイドやアガトンローラーガイドと同様に丸物のガイドポスト、ガイドブッシュを使用していますが、アガトンローラーガイドとは異なり、ボールガイドとの互換性はありません。
これはプロファイルローラーの予圧量が小さく、ユニット毎に調整が必要なためです。
つまりプロファイルローラーガイドからリテーナのみボールリテーナやアガトンローラーリテーナに変更して使用することはできません。
またプロファイルローラーリテーナのベアリングが摩耗して交換する際はリテーナのみの交換はできず、ガイドポストとガイドブッシュも同時に交換する必要がありますのでご注意ください。(ガイドポスト、ガイドブッシュ摩耗時も同様)

潤滑油
ボールガイドやローラーガイドを使用する際は潤滑は必須となります。
無潤滑での利用はベアリングの摩耗を極端に早めてしまう恐れがあります。
アガトンガイド専用グリスはございませんが、以下のグリスが推奨となります。
・NOKクリューバー社 Microlübe GB0(耐熱温度150℃)
・NOKクリューバー社 Kluberplex BEM 41-141(耐熱温度150℃)
・高温環境及びクリーンルーム、食品機械などへはNSF H1に登録されているBarrierta L55/2 H1がおすすめです。(耐熱温度260℃)
※NSF H1:食品に偶発的に接触する可能性のある箇所に使用できるグレード
プロファイルローラーガイドの仕様
標準品でサイズはISO/DIN規格に基づいた展開をしておりΦ25~Φ50まで取り扱っております。
お客様の要望に応じて特注製作も可能です。
リテーナ径 | Φ25~50 |
ローラー径 | Φ3、Φ4 |
適用ガイドポスト | 6500、6540、6560、6571、6509、6579、6531シリーズ等 標準品全般 |
推奨使用温度 | ~170℃ |
材質 | リテーナ本体:真鍮(C3603相当) ローラー:特殊ベアリング鋼(SUJ2相当) ガイドポスト、ガイドブッシュ:特殊ベアリング鋼(SUJ2相当) |
硬さ | HRC62-64 (ベアリング) |
対応スピード | 最大40m/min (推奨:500mm/s) |
プロファイルローラーガイドが適している金型
・冷間鍛造、粉末冶金、曲げ・絞り加工、厚板の打ち抜きなど、プレス加工用金型全般
特に偏荷重などの剛性が重視される金型に適しています
・射出成形金型(ガイドピンの代替)
使用上の注意点
納期について
ガイドポスト、プロファイルローラーリテーナ、ガイドブッシュのガイドユニットとしてご購入する場合、プロファイルローラーベアリングの予圧調整が必要なため、納品まで4~5週間程度かかります。
組合せについて
プロファイルローラーガイドはユニット毎に予圧調整をしておりますので、組合せを変更しないでください。
組合せを変更した場合、片方は予圧が強く、もう片方は予圧が弱くなってしまい、適切な予圧ではなくなってしまいます。組付け時やメンテナンス時等には十分にご注意ください。
お見積依頼からご発注までの流れ・納品について
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