金型内タップユニット(サーボ式)

概要

NCシリーズは、サーボモーターを駆動源とする高性能タッピングワークステーションです。プレス機の動力に依存せず独立駆動するため、スライドストローク条件に左右されにくく、設計自由度の高い工程構築が可能です。金型内だけでなく、生産ライン外での単独タッピング設備としても使用でき、多品種生産や工程分離構成にも対応します。当社ラインアップで最も広いφM0.6〜M45に対応し、1〜24点の同時加工が可能です。

特長

  • サーボモーター駆動:回転数・加減速・停止位置を精密制御し、安定したタッピング動作を実現します
  • プレス駆動に依存しない構成:ストロークの制限を受けないため、特殊レイアウトにも対応できます
  • サイズ範囲:φM0.6〜M45(UNC/UNF/BSW 等にも対応可)。当社ラインアップで最も広いレンジです
  • 狭ピッチ:先進のコレット技術により最小穴中心距離13mm
  • 加工条件記憶機能:最大45種類の加工条件を保存でき、段取り替えを迅速化します
  • カラータッチパネル制御:加工状態のリアルタイム表示と加工回数の記録が可能。独立した操作電気ボックスにより設置・調整も容易です
  • タップ検出:プレスと同期した自動/手動の安全連動により、1ストローク終了ごとにタップを検出します
  • 過負荷保護機能:異常トルクを検知し、タップ破損やワーク不良の連鎖を防止します
  • ワンストップ統合設計:製品位置決め・冷却油回収・穴位置検出・タップ折損検出を一体化しています
  • 加工方式:転造タップによる無切りくず加工。貫通穴・止まり穴とも対応します

主な仕様

項目仕様補足
駆動方式サーボモーター駆動他シリーズはプレス連動のメカニカル駆動
モデルNCK(機械伝達式)/NCM(フレキシブルシャフト式)各1〜24ヘッド構成
タッピング方向水平・垂直貫通穴・止まり穴とも対応
対応タップサイズφM0.6〜M45UNC/UNF/BSW 等にも対応。材質・条件により異なる
プレスストローク制限なしプレス駆動に依存しない独立駆動
同時加工点数1点〜24点(同期)異径・異ピッチ混在OK
最小穴中心距離13mm先進のコレット技術による
制御カラー液晶タッチパネル加工条件を最大45種類保存。加工状態の表示・加工回数の記録
検出・保護製品位置決め/冷却油回収/穴位置検出/タップ折損検出/過負荷保護ステーションに統合
設置方式単一工程内へのワンストップ設置(独立ワークステーション型)独立操作電気ボックス付き
電源三相220V 50Hz仕様により異なる場合があります
生産速度最大60SPM材質・径・潤滑条件により異なる

型式の見方

ラインアップ:NCK1, NCK2, …, NCK24 / NCM1, NCM2, …, NCM24

例)DZX-NCK24-T-W  DZX-NCM2-T-W

・NCK24:NCシリーズ 機械伝達式(24点)
・NCM2:NCシリーズ フレキシブルシャフト式(2点)
・T:プレスストローク(上死点〜下死点)
・W:穴中心距離

※NCシリーズは全て受注生産品となります。

NCKとNCMの違い

NCK(機械伝達式)サーボモーターの動力をギア等の機械要素で伝達する構成。剛性が高く、大径ねじや高トルクを要する加工に適します
NCM(フレキシブルシャフト式)軟軸で動力を伝達する構成。モーター部とタッピング部を離して配置できるため、レイアウト自由度が高くなります

NCMはモーター部とタッピング部を分離できるため、金型内だけでなくオフラインでも使用可能です。「プレスストロークが短い」「多品種少量生産で設定を頻繁に変える」「金型が非常に高価で、過負荷を避け安全性を最優先したい」という場合には、メカニカルタイプよりもNCシリーズが推奨されます。

ZRやZGなどのメカニカルタイプはプレスのスピードに完全に同期しますが、NCシリーズは独立したサーボ制御のため、「ゆっくりタッピングして素早く引き抜く」といったタップ寿命を延ばすための速度制御が可能です。

NCM フレキシブルシャフト式タッピングユニットの構成

タンデムプレスでの活用

NCシリーズは、タンデムプレスにおけるタッピングに適しています。各プレス工程間でワークを搬送する構成において、独立駆動式であるNCシリーズは、プレスストローク条件に依存せず安定したねじ加工を実現します。

  • 工程分離構成が可能:成形工程とねじ加工工程を分離でき、金型構造を簡素化できます
  • ロボット搬送との親和性:直交ロボット・多関節ロボット搬送と組み合わせやすい構成です
  • 大型部品・高剛性ワークに適応:自動車部品などの大型ワークにも対応しやすくなります
  • 多点同時加工に対応:複数ヘッド構成により、1ステーションで複数箇所のタップ加工が可能です

従来のボール盤との比較

NCシリーズは従来のボール盤と比較すると、無人化・自動化を実現できます。金型内タップとボール盤では、ボール盤に少量多品種対応という長所がありましたが、NCシリーズもタップの設置場所を変更することで少量多品種に対応できます。少量多品種化と無人化、高い生産性を同時に実現でき、長期的には労務コストの削減にもつながります。

NCシリーズと単独ボール盤による工程構成の比較図
項目NCシリーズ単独ボール盤
労務費二次加工の人員不要作業者常駐
搬送費不要必須
仕掛在庫発生しない発生
設備台数統合可能複数台必要
加工速度最大60SPM毎分10回程度
電力消費ライン内統合別系統が増加

※SPM:strokes per minute(毎分ストローク数)の目安です。

他シリーズとの比較・使い分け

ZR / ZGシリーズ(金型内・メカニカル)プレススライドの動力を利用するため、ストローク条件に依存します
Vシリーズ(メカニカル・φM2〜M12)可変ストロークプレスやサーボプレスに、メカニカル構成で対応します
Gシリーズ(ステーション型・φM0.6〜M12)多点加工やロボット搬送向けの工程統合型構成
6JSシリーズ(ステーション型・φM0.6〜M12)金型外の移送・独立ワークステーション。縦・横・逆タップに対応
NCシリーズ(サーボ・φM0.6〜M45)精密制御・条件記憶・過負荷保護を重視する生産ラインや、タンデム構成など工程分離型ラインに適します

導入事例

【導入事例】2000tプレスライン 高張力鋼板への多点タップ加工

技術要求
高張力鋼S420MC、ねじ深さ4.5mm
4-M5×0.8P、4-M6×1.0P、4-M8×1.25P
ワンストップ搬送
生産速度:20SPM以上
冷却油回収の設計
φ5小径穴の位置検出とタップ検出
加工条件:2000tプレス ストローク700mm
3次元機械手

採用機種
NCシリーズ DZX-NCK12-700-W × 1式

導入効果
設計25SPM、量産22SPMで顧客要求を超過
タップステーションと生産ラインを整合させたTFR生産方式
プレスライン稼働に合わせた設計により干渉を回避

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関連リンク

Gシリーズ(フルパッケージ仕様)
6JS(トランスファープレス仕様)
ZRシリーズ(垂直方向標準仕様)
Vシリーズ(可変ストローク・サーボプレス仕様)

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