FocusXの測定原理
FocusXは、アリコナが全ての測定機で使用している測定原理「焦点移動法」を採用している非接触三次元測定機です。
焦点移動法とは、カメラ(COMSセンサー)で取得した画像情報(XY平面の2D情報)とZ軸スケールで読み取った位置情報(Z方向の高さ情報)を組み合わせる事で3Dデータを構築する測定方法です。
対物レンズは焦点深度が浅いタイプのため、任意の高さでZ軸上に搭載されたCMOSセンサーが認識できる被測定物の位置(焦点が合う被測定物の位置)は極めて狭い範囲となります。
そして、フォーカスポイント(焦点のあった被測定物の表面の画像情報)と、高分解能のZ軸スケールにより読み取った正確な高さ情報を組み合わせることで、信頼性の高い3Dデータを構築することが可能になります。また、CMOSセンサーを使用しているため、構築された3Dデータはフルカラー情報を含むデータとなります。
FocusXとは
アリコナ社製品は全て測定原理が「焦点移動法」であるため、FocusXも「サンプルを傷つけない」、「測定スピードが速い」、「広範囲で複雑形状を高精度に測定出来る」非接触三次元測定機となっております。
接触式の三次元測定機ではプローブが表面に傷を付けてしまったり、3Dスキャナーでは精度が低いため条件を満足できない場合がありますが、その問題を一挙に解決できる測定機です。また、表面形状測定だけでなく様々な寸法や幾何公差、粗さ測定も可能であるため、多機能な測定機となっております。
FocusXの特徴
FocusXは上位機種であるアリコナG6と同じセンサーを使用しております。そのため、一世代前のアリコナG5 plusやコンパクトなタイプのアリコナSLよりも精度が良く、面粗度の細かい面や比較的光沢の強い面も測定が可能です。
また、アリコナG6とハイエンドモデルのµCMMと同様に垂直の立壁や孔の内径を測定できるバーティカル・フォーカス・プロービング機能をオプションとして活用することが出来ます。
測定スピードはフラグシップモデルのアリコナG6と同等でハイスピードな測定をご提供します。
更に、基幹ソフトウェアはアリコナG6とµCMMと共通のMetMaxを搭載しており、最新の測定ソフトウェアを使用することが可能です。
FocusXの優位性
FocusXは高精度かつ高速測定を実現します。アリコナG6と同様に最小10nmの垂直分解能を誇り、最短3秒の高速測定が可能となりました。
XY軸の走査範囲は100mm×100mmとなり、XY方向での広範囲測定も可能です。
標準仕様のレンズでもワーキングディスタンスが長いタイプを採用しているため、段差・高低差の大きなサンプルの測定にも最適となっております。
レーザー顕微鏡や他社の三次元測定機では測定できない複雑形状のサンプルでも、FocusXであれば、リングライトと落射照明の組合せにより簡単に測定することが可能です。
また、その際の測定範囲の設定も直観的に範囲指定することが可能なため、操作や条件設定が複雑な従来の非接触三次元測定のイメージを覆す、ユーザーフレンドリーな測定機です。
FocusXでは、10倍レンズでオプションとして更にワーキングディスタンスの長いHXタイプが使用できます。
また、XY方向の取り込み範囲の広い4倍レンズにより測定スピードの向上を実現しました。
回転ユニットによる全周・全域・全方位測定
回転ユニットは測定物をクランプ氏回転及び傾斜させる機能を持っております。
FocusXに搭載される回転ユニットは回転軸、傾斜軸とも電動制御をなります。
回転機構を持たない従来の非接触三次元測定機では不可能であったあらゆる角度からアプローチ出来ます。また、様々な角度から測定したデータを結合することで、例えばエンドミルなどの回転工具やギアの全周測定が可能になりました。っ更に最新のソフトウェアでは煩わしい測定条件設定が不要な回転工具の完全自動測定機能が追加されます。
バリエーションの豊富な解析ソフトウェア
断面形状解析・線粗さ・エリア粗さ解析などの非接触三次元測定機で使用頻度の高い解析機能は標準ソフトウェアとして搭載しております。
自動測定を実現するための機能やソフトウェアもパッケージとしてご用意しておりますが、お客さま毎のご要望に合わせたカスタマイズにも対応致します。
他にも差分解析(形状比較計測)、摩耗解析等の様々なオプションのソフトウェアをラインナップしております。
また、最新ソフトウェアのMetMaxが標準ソフトウェアとして使用いただけます。測定物のCADデータをソフトウェアにダウンロードすることにより、3Dシミュレーションによる測定及び解析のプランニングと干渉確認が可能になります。勿論3Dシミュレーションからの測定指示も可能です。
導入実績
トレーサビリティー
PTB(ドイツ国立物理工学研究所)までトレーサブルな校正器による装置校正を行っており、測定機としての健全性を確立することで、信頼性の高い測定結果をご提供します。
PTBとは日本の産業技術総合研究所のような機関で、世界的に、特にヨーロッパにおいて権威のある研究所となります。
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仕様
測定原理 | 焦点移動法にもとづく非接触三次元測定 |
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測定結果 | 表面性状を最大3.5Mバイトの3D情報をもとに 高精度かつリアルカラーで表示 |
測定テーブルストローク(XY) | 100mm x 100mm |
垂直方向ストローク(Z) | 100mm |
測定機重量 | 約40kg |
環境温度レンジ | 15–30°C(キャリブレーション時は18–22°C) |
環境湿度レンジ | 推奨範囲:40–50%、許容範囲:30–60% |
測定機サイズ(W x D x H) | 605mm x 350mm x 750(Max800)mm |
対物レンズの倍率 | 4倍 | 10倍 | 10倍HX | 20倍 | 50倍 | |
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ワーキングディスタンス | mm | 30 | 17.5 | 37 | 19 | 11 |
視野範囲(X,Y) | mm | 3.8 | 1.6 | 1.6 | 0.66 | 0.3 |
測定点間距離 | µm | 1.77 | 0.72 | 0.72 | 0.36 | 0.14 |
繰り返し精度 | nm | 100 | 20 | 90 | 12 | 6 |
垂直分解能 | nm | 290 | 60 | 260 | 35 | 20 |