丸目加工と箱曲げ加工

プレス加工において、主な加工方法は抜き加工と曲げ加工ではないでしょうか。
この中で曲げ加工の丸目加工と箱曲げ加工について、安定した寸法精度形状精度を得るための加工方法をご紹介します。

一般的な丸目形状と箱曲げ形状

一般的に、丸目形状や箱曲げ形状のような曲げ加工形状は、1枚の板を順次曲げ加工を行い、最終的には右片と左片が中央で向き合って、要求形状と寸法性を維持させるべく数工程の曲げ工程と修正工程を設けています。
その際、図-1に示すように右片と左片が対峙して多少の隙間を設けている図面形状が多いのではないでしょうか。

丸目形状と箱曲げ形状においての難しい点

丸目形状にしても、箱曲げ形状にしても難しい点は、右片と左片との間にある隙間の存在です。
被加工材料には曲げ加工(塑性加工)につきもののスプリングバックが存在することにより、形状および寸法精度維持が難しくなることが予想されます。
被加工材料の板厚のバラツキ(規格内)や硬度の変動(規格内)などからくるスプリングバックを加味した場合に、この隙間(図-1の隙間0.*以下)を設けての厳しい要求に対しての曲げ加工はかなり難しいと思います。

丸目加工と箱曲げ加工での外径寸法の安定と寸法の精度を向上させる方法

丸目加工

図-2にあるように、右片と左片を第一丸目加工でお互いに内側への力を働かせるようにし、左右の片をお互いに突っ張るようにします。(例えるなら、成形前の形状は鶏の卵の形にします)
そして次の丸目成形で右片と左片を接触させ、お互いに突っ張り合うようにすることにより真円を保つことができて、要求される円の厳しい寸法も維持することができます。
ここでは、両片に必要以上の突っ張りの力を発生させないように注意が必要です。

箱曲げ加工

箱曲げでも丸目加工と同じように、左右の片をあらかじめ屋根の形状にし、お互いに突っ張り合うような力を加えておき、そのまま成形工程で両片が突っ張ったまま成形することにより安定した綺麗な箱曲げ形状を作り出すことができます。
この箱曲げでも、丸目加工と同じように両片に必要以上の突っ張りの力を発生させないように注意が必要です。

その他

  • 丸目加工も箱曲げ加工も右片と左片のブランク寸法や各片の曲げ形状を試行(ブランク寸法などの0.0*程度の試し)することも必要となります。
  • 適度な安定するブランク寸法と、下死点変動の少ないプレス機械、そして高精度な金型によるプレス加工での実施が適しています。
  • ここで紹介しているプレス加工方法を上手に行うことにより、製品(丸目加工・箱曲げ加工)の寸法そして形状精度が格段に向上することにより、安定したプレス生産が行えることが期待できます。

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