「プレス加工とリテーナーのズレ対策③」金型ガイドの基礎知識プレス編 vol.7

ロングストローク金型のリテーナーのズレ対策②

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サークリップリング軸用

プレス金型でリテーナーが摩耗してくると下にリテーナーが徐々にズレてしまいますがリテーナーにサークリップリングを取り付ける事でズレ・落下を防ぐ方法があります。
サークリップリングはC型止め輪、スナップリングとも呼ばれ軸用と穴用があります。
この場合は軸用を用います。

サークリップリングとロケーションスリーブを用いたズレ対策

下の図をご覧ください。このような金型ではプレーンガイドであれば非常にシンプルな構造ですが、リテーナーを使って精度の良い金型にしようと考えた場合は難易度が一気に増します。前項で登場したスプリングを使用とすると非常に長尺となり標準品ではなかなか調達できません。リテーナーがブッシュを往復するような形状なのでリテーナー上り防止のワッシャーも使えません。こういったケースでは前項で紹介したロケーションスリーブとサークリップリングの併用が有効な対策となります。アガトンガイドでは7631シリーズがボールリテーナーに、7663シリーズがローラーリテーナーにサークリップが最初から取り付けてあります。

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組み付けのポイントはリテーナーのイニシャルポジションを少し上に設定する事です。その際、ロケーションスリーブが組み付けの時の位置決めに役立ちます。下の図のようにリテーナーのベアリングが摩耗すると下にズレ始めた際にサークリップリングやロケーションスリーブに「ガチっ」と音が出る事でリテーナーの交換時期を分かるようにしておくことが重要になります。

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サークリップリング側
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ロケーションスリーブ側

ロングストロークの金型でズレ対策もしておきたい金型にご検討ください。

アガトンのサークリップ付きリテーナー

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(左)サークリップ付きボールリテーナー
7631シリーズ

(右)サークリップ付きプロファイルローラーリテーナ
7663シリーズ

上記ガイドは偏荷重があまりない金型用途となっています。偏荷重が高くなるような金型ではブッシュ長さを伸ばして多くのベアリングを用いて偏荷重を受け止められるようにし、ブッシュの形状もヘッド付きタイプや肉厚タイプなど剛性補強を考慮した形状がおすすめです。

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