非接触三次元測定機と3Dスキャナーとの違いとは?
非接触の測定機と言えば、3Dスキャナーを思い浮かべる方も多いと思います。
そもそも非接触三次元測定機と3Dスキャナーの違いとは何なのでしょうか。
①前提条件として、データの精確さを示す精度が重要な点となります。
②もう一つ重要な点として測定速度(取り込み速度)が論点となります。
高精度な測定をするためには、ある程度ゆっくり測定する必要があり、短時間での測定をするためには精度を犠牲にしなくてはなりません。
精度と速度は反比例の関係にあります。
これは皆様既知の情報ではあるのですが、失念することが多い点として見受けられます。
そのため、取り込み方式を考える際に、ここが重要なポイントになります。
測定原理の特性を理解する
3Dスキャナーは、精度は非接触三次元測定機に比べれば低く、比較的大きなサンプルの形状を短時間で取り込むのに適しております。
それに対し非接触三次元測定機は、小さな測定対象、あるいは大きなサンプルの一部分を、高精度に測定することに向いており、3Dスキャナーよりはサンプル全体を取込む際のスピード感は遅くなります。
最近の非接触三次元測定機は、従来のものよりも格段にスピードアップしておりますが、分解能や測定範囲によっては測定スピードは遅くはなります。
そのため、
①三次元測定機を選定する際に、3Dスキャナーの測定スピードを求める。
②3Dスキャナーを選定する際に、三次元測定機の精度を求める。
そうするとイメージと異なることが多いので、選定を行う際は、次の項目をチェックすることが大切となります。
測定対象の大きさ、精度、スピード、用途、そして価格
近年は様々な製品の開発のスピードが早く、測定にも同様のスピード感が求められるため、精度や価格と折り合いがつかず、断念されるケースが多くなっております。
先ほど記載した通り、精度と速度が反比例する為です。
しかし、測定機がないと品質保証は出来ないので、測定機は重要であります。
そのため測定機選定の際に、速度も精度も一番イメージと近いものを選ぶためにも、下記の点をご留意ください。
①測定対象の大きさと測定したい範囲、そして形状を把握して、3Dスキャナーにするか非接触三次元測定機にするかの最初の判断をすることをお勧めします。
②大きくても測定範囲が狭い、公差がかなり狭い、測定対象物が小さい、あるいは測定する箇所が細かいとなると、非接触三次元測定機が必要です。
精度が重要なのであれば、スピードはある程度犠牲にしなくてはいけません。
③測定範囲が大きい、あるいは公差が広いのであれば、3Dスキャナーにしましょう。
スピードが必要なのであれば、精度はある程度犠牲にしなくてはいけません。
④用途に関しては、様々な非接触三次元測定機があるので、その中から選定をしましょう。
平面が強いもの、複雑形状が強いもの、透明物が測定出来るなど、測定原理によって得意な測定対象があります。
各メーカーによって特性が異なりますので、セカンドオピニオン、サードオピニオンとして、様々なメーカーの意見を聞いてみるのが良いでしょう。
⑤そして、当然のことではありますが、ご予算と価格の感触を得るのが一番重要な点となります。
非接触三次元測定は3Dスキャナーよりは高価となります。
真っ先にヒアリングするのも一つの選択肢となります。
⑥過去には測定できなかったガラス、レンズなどの透明体や高反射率の鏡などを測定できるタイプの非接触三次元測定機(μCMM)もアリコナから登場するなど、従来の常識では考えられない非接触三次元測定機も出てきております。
2次元の幾何学解析(GD&T)にも対応しますので、そちらも考慮に入れると更に選定範囲が広がります。
お客様にあった測定機にお会いする一助になれば幸いです。
非接触三次元測定機の原理ごとの測定対象は何?
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