3種類のベアリング
アガトン社のベアリングは3種類あり、それぞれ特徴や適用先が異なります。
1. ボール
2. アガトンローラー
3. プロファイルローラー
ここではそれぞれのガイドの特徴をご紹介します。
ボールガイドの特徴
ガイドユニットは、ガイドポスト、ボールリテーナ、ブッシュで構成されます。
予圧のかかったボールは、ガイドポストとブッシュの間を転がります。
3つの部品に適用される公差における予圧は、ガイドポスト/ボール径に応じて、0.005~0.02mm(φ15~63mm)となります。
ストローク速度は最大150m/minまで使用できます。
ボールガイドのリテーナの材質
アルミ製は、軽量で熱伝導率に優れているため汎用性が高く、ストローク数が多い金型に適します。
軽量化するほど、上下運動の方向反転時の慣性力が小さくなります。
リテーナには、組み込み作業を容易にするアンチスキッドが付属します。
真鍮製は、耐熱性が必要なガイドに適します。
アルミ製に比べやや重量があるため、ストローク数が非常に多い金型には不適です。
リテーナには、位置決め及びリテーナのクリープ現象(すべり現象)を防止する外付けのサークリップが付属します。
ローラーガイドの特徴
ガイドユニットは、ガイドポスト、ローラーリテーナ、ブッシュで構成されます。
予圧のかかったローラーは、ガイドポストとブッシュの間を転がります。
アガトン社ではアガトンローラーとプロファイルローラーの2種類のローラーリテーナがございます。
アガトンローラーの種類とリテーナの材質
アガトンローラーリテーナの材質はアルミ製であり、アンチスキッドが付属します。
このリテーナは、独自のかしめ技術によるローラー収納ポケット(特許取得)により高速運動に対応(最大速度150m/min)し、中荷重で高い剛性を必要とするガイドに適します。
アンチスキッドは、組付け時にリテーナの位置決めを容易にします。
アガトンローラーは、その断面形状により、プロファイルローラーよりも高い予圧がかけられるため、偏荷重が局所的にかかるのを防ぎます。
荷重は4か所の接触点で均等に分散されます。
さらに、リテーナの重量が小さい(=反転点における合力が小さい)ため、高速ストロークにも対応できます。
アガトンローラーのリテーナの予圧は、ガイドポスト径に応じて0.005~0.02mmです。
プロファイルローラーの種類とリテーナの材質
プロファイルローラーリテーナの材質は真鍮製であり、外付けサークリップが付属します。
このリテーナは、高荷重で高い剛性を必要とする、比較的低速運動(最大速度40m/min)のガイドに適します。
位置決め用の外付けサークリップはリテーナのクリープ現象を防止します。
ガイドポスト及びブッシュと接するベアリングは、線接触しており、接触面積は大きくなります。
そのため、大きな力を受けられます。
一方、予圧レンジは非常に狭くなっています。
そのため、プロファイルローラーリテーナの各ガイド構成部品は必ずセットで使用します。
組合せ部品には同一の識別番号が付いています。
予圧は、ガイドポスト径に応じて、0.001~0.006mmです。
プロファイルローラーのリテーナは、環境に応じて防汚対策が必要です。
この記事の内容はカタログ「アガトン プレス・プラスチック金型標準部品」にも記載してあります。
カタログは以下のバナーよりダウンロードいただけます。
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