固定ストッパーと可動ストッパー

固定ストッパーと可動ストッパーは抜き差しをするロングストロークの金型において
・金型の一次位置決め(ニガシのある位置決め)
・リテーナ上がり・下がり対策(ストローク位置決め)
という目的で使われています。基本的には先端に遊び・逃がしを設ける事で衝突・カジリ対策をするようになっています。

固定ストッパーと可動ストッパーの違いは下記の通りとなります。

 固定ストッパー可動ストッパー
ガイドポストの長さを制限する しない
ガイドポストの追加工
ストローク ショートストローク向きロングストローク向き
繰返し精度高い高い
部品強度 強い弱い

遊び・逃がしとは

遊び・逃がしというのはどういうものなのか?というイメージが掴みにくいと思います。
遊び・逃がしは別の言葉で言い換えればクリアランスを指します。

下記はストッパーの図となります。

固定ストッパーはガイドポストの径と比べると1mmほど径が小さくなっています。0.5mmほど片側にクリアランスがあるため、リテーナーのボールには予圧が掛かっていません。この時点ではガイドポストがブッシュに挿入されていないため位置決めがされていません。プレス機はスライドとスライドギブにクリアランスがある分、XY方向でバラつきが出る事があります。そのためガイドポストの先端に固定ストッパーや可動ストパーで遊びを作りズレを拾うようにします。まず最初に固定ストッパーにガイドが挿入されるとリテーナーはボールやリテーナーがゼロクリアランスにはなりません。そしてガイドブッシュがガイドポストに挿入されるとボールやローラーがゼロクリアランスとなりストロークするようになります。ただ、固定ストッパーの場合はガイドポストの長さを短くしておかないとストッパーがプレートに衝突する恐れも生じます。そういう場合は可動ストッパーを使う場合の方がガイドを長く使う事が可能です。

固定ストッパーと可動ストッパーのストロークの違い

では固定ストッパーと可動ストッパーのストロークを見る事でどのような違いが出るのかを見てみましょう。

固定ストッパーのストローク

上記の図ですとパンチプレート側が貫通穴になっています。下死点でリテーナーが全て挿入されてリロードが掛かった状態になり加工に伴う負荷をリテーナーが受け止める事が出来る状態になっています。しかしもし何らかの理由で貫通穴にならなかった場合は貫通する深さ分、ガイドポストを短くしつつ ブッシュは長くする必要が出てきます。

可動ストッパーのストローク

固定ストッパーでの仕様とガイドポストとリテーナー、ガイドブッシュは同じですが可動ストッパーの場合には
貫通穴にすることなく下死点でリテーナーがブッシュの中に納まりました。このようにダイハイトに制限があり
出来るだけリテーナーとブッシュを同じ長さで使いたいという時に可動ストッパーは有効です。

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