非接触三次元測定機の測定対象物は何?
非接触三次元測定機は比較的小さな対象物、あるいは大きな測定対象物でもある程度狭い範囲を精密に測定する測定機となります。
接触式三次元測定機は、その性質上、プローブを用いて、点と点を結ぶ範囲を測定するという形になります。
それに対し、非接触三次元測定機は測定範囲全域を取り込むという形になります。
そうなると必然的に取り込む画像の容量が多いため、「接触式」と「非接触」で性質の異なる測定対象物となります。
しかし、μCMMが新発売になり、接触式三次元測定機のような測定が可能になりました。
測定原理による測定対象物の違い
非接触三次元測定機には、様々な測定原理がありますが、有名な測定原理は二つあります。
一つは共焦点顕微鏡法、もう一つは白色光干渉法があります。
二つの測定原理に関しては、また別の機会に触れますが、今回は得意な測定対象をあげます。
どちらもサンプルとレンズの距離(ワーキングディスタンス、WD)が狭いため、立体的な測定対象物よりも平面を測定するのが得意となります。
と言うのも、どちらの方法も粗さ測定を測定するために開発されたため、粗さは平面を測定するだけで良かったからです。
最近はWDが広いレンズなども出てきましたが、結局は上下方向(Z軸方向)の測定可能範囲は狭く、Z軸方向の形状を測定する上では不十分です。
それに対して、アリコナの測定原理は、全焦点顕微鏡法となり、上記の二つと異なります。
全焦点顕微鏡法(フォーカスバリエーション)の測定対象物
全焦点顕微鏡法(フォーカスバリエーション)の利点としては、WDが広く取れるため、測定対象の高低が大きくても測定できるところが強みです。
そのため、Z方向(地面に対して上下方向)の距離がある複雑形状の測定対象物に有効な測定方法と言えます。
回転工具であったり、インサートであったり、あるいはギアのような回転も高低差もある測定対象物も得意とするところとなります。
また、フォーカスバリエーションで測定可能でも、元々の測定方式が共焦点顕微鏡法の場合、結局取り込める範囲が狭いです。
以上のように、測定原理やその測定機が開発された経緯を基にして、非接触三次元測定機を選ぶという観点も重要となりますので、選定の際には是非意識してみてください。
非接触門型三次元測定機「μCMM」新発売
従来のアリコナシリーズでは、自動テーブルがボールねじでエンコーダーも精度の高いものではなかったため、フィッチングという画像と画像を連結させる技術を用いて、データの精度を担保しておりました。
それに対し、「非接触門型三次元測定機µCMM」は全軸が独立系でグラナイトでできており、エンコーダーも3.9nmと精度が高く、エアベアリングでリニアで動きます。
またµCMMと非接触三次元測定機アリコナG6はISO10360-8に準拠しており、画像と画像が離れた状態でも精度を保ち、幾何学的解析が可能となります。
そのため、従来では不可能であった接触式三次元測定機のような測定も可能となり、大きな測定対象も測定することが可能となりました。
時代も変化しており、従来の常識では測定できなかったものも取込、解析をすることが可能となりました。
例を挙げますと、今まで測定不可能であった「透明体」「高反射面」「立壁や穴の内径」です。
上記の測定でお困りの場合、是非弊社にご相談をしていただければと思います。
非接触三次元測定機の主な測定原理とは?
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