「非接触三次元測定機とは?」非接触三次元測定機技術情報vol.1

三次元測定機とは?

三次元測定機と言えば、近年では非接触三次元測定機の知名度も増してきたので、そうとも限らなくなってまいりましたが、タッチプローブを使用した接触式三次元測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)を思い浮かべる方が少なからずいらっしゃると思います。
端的に申し上げますと、CMMは立体物にプローブで触れて、その箇所の三次元座標を3Dデータとして表示する測定機です。
それに対し、非接触三次元測定機は光やレーザーを用いて対象に触れることなく三次元座標を読み取り、3Dデータを構築していく、比較的新しい技術です。
この技術は急速に普及し、非接触測定の利点が多くの業界で認知されるようになりましたが、そこには下記のような明確な理由があります。

非接触三次元測定機が広がってきた理由

協働型非接触三次元測定機

タッチプローブを使用する接触式三次元測定機ですと、測定対象に触れるので小さな傷を付ける可能性があります。また、タッチプローブが摩耗することにより、少しずつ測定値に変化が出てしまいます。
近年、測定対象が小さくなってきたり、精度が厳しくなってきているため、サブミクロンレベルの値で測定する必要のあるサンプルが増えております。
そのため、①どんなに小さな傷でも受け入れられない、②プローブの摩耗による精度の信頼性の低下が受け入れられない、③プローブ径よりも測定対象が小さ過ぎたり、狭過ぎたりすることで、測定対象に完全に接触できない、入り込まないため測定出来ない対象物も増えているお客様が増加傾向にあります。

非接触三次元測定機はサンプルには触れませんので、傷を付けることはありません。また、非接触のためプローブが摩耗することによる数値の変化もありません。加えてアリコナの非接触三次元測定機は、光で測定を行っているため、プローブが入り込めない測定対象も測定する事が出来ます。
更に、レンズ精度やセンサー能力の向上、ソフトの利便性が上がってきており、精度はナノメーターレベルになっており、サンプル形状も粗さも精確に測定することが出来るようになっています。
近年では、様々な工業製品の部品が小型化の一途をたどっているため、急速にシェアを拡大してきております。

非接触三次元測定機の利点

ワーキングディスタンス

非接触三次元測定機の利点は、
1.同じ場所を傷を付けず何度でも測定ができる。
2.測定した後に加工を行うことが出来る。
3.そのまま製品として使用することが出来る。
4.測定したデータは何度でも解析が可能である。
5.加工前後の差分解析が可能である。
6.測定原理や測定箇所によっては、接触式よりも測定スピードが速い。
7.機種によっては、形状と粗さ測定を1台2役でこなせる。
8.プローブ径を気にする必要がない。
9.プローブ摩耗が無いので、精度の変化がほとんど無い。
10.複雑形状を点や線ではなく、面で測定することが出来る。
以上があります。

このように非接触三次元測定機が急速に広がってまいりましたが、その分、誤解を与える部分もたくさんございます。
そのため次回は良く混同されがちな、「3Dスキャナーとの違い」を記載いたします。

技術情報vol.2 非接触三次元測定機と3Dスキャナーとの違いとは?

非接触三次元測定機と3Dスキャナーとの違いとは?

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