「アガトンガイドの設置・メンテナンス・交換」

設置・メンテナンス・交換

金型用ガイドの寿命や精度は組付けやメンテナンスにより大きく向上します。
ここではアガトンガイドの組付け前の下準備からメンテナンス、および交換までの方法や注意点をご紹介します。

ガイドユニットの洗浄

ガイドユニットを分解し、工業用洗浄剤で洗浄してください。
出荷されたガイド部品は腐食防止剤が塗布されています。
この薬剤は潤滑剤としては適していないため、腐食防止剤を取り除いてご使用ください。

注意:
・7663シリーズ、および射出成形金型向け高精度位置決め部品RFCSはガイドポスト・リテーナ・ガイドブッシュ間でメーカ側で嵌合合わせを実施しています。
洗浄の際は組み合わせが変わらないようにしてください。
・アルミ製のリテーナ(7611、7660、7990、7992、7995シリーズ)を洗浄する際は事前に工業用洗浄剤および洗浄方法がアルミニウムにダメージがないかご確認ください。
・アルカリ性洗浄剤は使用しないでください。超音波洗浄をご利用の場合は事前に洗浄機の発信周波数および推奨洗浄時間をご確認ください。

リテーナへのグリスの塗布

グリス塗布

洗浄したリテーナに加工内容に適したグリスを適量塗布してください。
(標準推奨潤滑剤はベアリング用グリスKluber Microlube GB0となります。その他の特殊用途の潤滑剤はカタログをご覧ください。)

プレートの穴加工部へのガイドユニットの設置

ガイドユニットを設置する加工穴の推奨位置精度は技術情報vol.6およびvol.8をご覧ください。

メンテナンス

極めて高い負荷や長期的に用いる際には、定期的もしくは稼働中にオイルまたはグリスなどの潤滑剤を給油してください。
定期的なメンテナンスをする際は、再度リテーナを洗浄およびグリスアップをしてください。

ガイドユニットの交換

リテーナを容易に分離するため、予圧のかけている箇所に過度の負荷をかけたり、組付け状態で落とさないようにしてください。
ベアリングの転がりがなくなったり、平滑な箇所に目視可能な摩耗痕がある場合にはリテーナを必ず交換してください。
ガイドポストおよびブッシュに摺動による強い摩耗跡や高負荷による表面剥離が見られた時には交換が必要です。(以下写真参照)

ガイドユニット交換基準

注意:
・ボールやローラーなどのガイドは全交換をお勧めします。
・ミニチュアを除くボールガイドのリテーナの交換は可能ですが、ポストやブッシュもまた摩耗が発生している可能性があるため、リテーナのみの交換にはご注意ください。精度が落ちる可能性の他、振動の発生やパンチなど他部品の寿命も短くしてしまう恐れがあります。

この記事の内容はカタログ「アガトン プレス・プラスチック金型標準部品」にも記載してあります。
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