非接触門型三次元測定機「µCMM」

µCMMの概要

非接触門型三次元測定機によるインプラントの測定風景

アリコナより立壁や孔の内径の測定、透明体や鏡面仕上の表面が測定可能で、寸法測定や幾何公差解析が可能な非接触門型三次元測定機がリリースされました。
従来のアリコナ社製品である白色LEDを用いた、焦点移動法による測定を行うアリコナG6やアリコナSLでは、測定出来ない形状や材質、解析がありました。
例えば、90度の立壁や孔の内径、光を透過してしまうガラス、レンズ、単結晶ダイヤモンドなどの透明体や、面粗度の数値が低い鏡面仕上げ面、金型のような寸法測定や幾何公差解析が必要な測定対象は測定できませんでした。
これまでお客様より、そのような対象の測定のご要望を数多くいただいておりましたが、それを実現する測定機は存在しておりませんでした。
アリコナ社ではそういったご要望にお応えするため、立壁や内径、透明体や鏡面、金型を測定することの出来る非接触門型三次元測定機を開発いたしました。

立壁や孔の内径を測定できる非接触門型三次元測定機

立壁や孔の内径の測定が可能なバーティカル・フォーカス・プロービング機能が標準装備となりました。今まで測定不可能であった90度の壁面も測定可能なため、立壁面間の幅のような寸法測定も可能となります。これにより、金型の立壁にあるような基準となるデータムも取ることが可能となり、幾何公差を解析する事も可能になりました。

非接触門型三次元測定機の解析事例

ストレートな面だけではなく、円筒形状の外径や内径も測定可能となり、円筒度や同軸度も容易に測定することが可能となります。小径の円筒も測定可能で、接触式三次元測定機でプローブが入らない測定にも対応可能です。

非接触門型三次元測定機の円柱の解析事例

非接触三次元測定機の垂直の立壁の測定原理とは?

非接触三次元測定機の垂直の立壁の測定原理とは?ボタン

透明体や鏡面仕上げを測定できる非接触門型三次元測定機

非接触門型三次元測定機の測定風景

通常の非接触門型三次元測定機では、白色LEDで測定を行っていたため、光を透過してしまう透明体や、光を完全に反射してしまう鏡面仕上げのサンプルを測定することが出来ませんでした。
しかし、µCMMではスマートフラッシュ2.0という独自のアルゴリズムにより、高精度センサーで測定物表面を認識出来るようになり、透明体や鏡面仕上げを測定することが可能になりました。

また、非接触門型三次元測定機の最大のメリットは、測定対象に触れずに測定ができるということです。
近年、表面が超鏡面な測定対象が増加しており、接触式三次元測定機(CMM)では、測定の際に表面に接触することで微小な傷が付いてしまいます。
微小であっても、鏡面仕上げや透明体のサンプルには欠陥になるため、測定後の磨き直しによるキズの除去が必要となり、それによって全体の寸法や形状が変わってしまい、測定したデータが無意味になってしまうことがあります。
しかし非接触門型三次元測定機であれば、傷が付く心配もないため、何度でも測定をすることが可能であり、更にそのまま製品として使用することが出来ます。
そして測定したデータは保存しておくことが出来るため、何度でも解析を行うことが可能です。

1台4役の非接触門型三次元測定機

以下の4つの要素が重なり合うことで軸の位置決め精度が向上し、1つのデータで2次元、3次元の両方の解析が可能となりました。


1. XYZ軸の各軸に採用されているリニアスケールの精度が向上しました。
2. 本体ベースの材質にグラナイトを採用し、熱変位の小さい構造としました。
3. エアベアリングを採用し、静動性が向上しました。
4. リニア駆動となり、スピードと精度が向上しました。

上記4つの要素により、3次元測定精度の規格であるISO10360-8に準拠する、ワンランク上の高精度な測定機となりました。
また、アルゴリズムの改善とµCMMリアル3D回転ユニットのエンコーダー性能が向上されたことにより、回転対象の測定精度や軸中心の認識精度が向上しました。
回転ユニットを使用すると5軸(回転と傾斜のAB2軸)まで拡張することが可能なため、回転工具やギアの測定精度も向上し、更に様々な形状のサンプルの取り込みも可能となっております。
上述のハードウェア面の精度向上と、アリコナの優秀な解析ソフトウェアによりCMM、輪郭形状測定機、2D画像測定機、粗さ測定機などの要素がすべて含まれた1台4役の万能な非接触3次元測定機となっております。
下に示す図面やドリルの測定例のように、幾何公差(GD&T)を解析することも可能となり、更に離れた個所の解析でも精度が保証されるため、従来よりも劇的に測定解析時間の短縮が見込まれ、工数削減や人件費削減にも寄与いたします。

ベアリング図面と非接触門型三次元測定機のドリル解析事例

※軸受け部品の2次元解析(左)、回転工具のシャンク部に対する刃先部の円周振れの解析(右)

様々な拡張オプション

前項でご説明した回転ユニットだけでなく、自動化やCAD,CAMデータとの融合が可能なソフトウェアや、測定効率向上させるハードウェアもご用意しております。

CADデータを基に、測定プランを構築することが可能なソフトウェアのMetMaxが、基本ソフトウェアになりました。CADデータに含まれるPMI(Product Manufacturing Information、製品製造情報)を使用して、測定プランを自動で作成することが可能です。
PMIがなくても、MetMax上で作成し、測定プランを構築し、取り込みからレポート化まで自動化することが可能です。
衝突シミュレーションを行う事も可能で、干渉を起こさないような測定プランを構築することが可能です。

スマートマニュファクチュアリングにも対応しており、測定環境(温度、湿度、油の飛散等)は整える必要はありますが、インラインでの測定も可能です。
レンズのチェンジャー(最大4個収納可能)もオプションで装備することが可能で、自動でのレンズ交換が可能となっており、手動での取り換えも可能なため、全種類のレンズをお持ちいただくことも可能です。


全自動測定ユニットPick&Placeを用いLoading/Unloadingポジションをティーチインし、オートメーションマネージャーで測定工程を登録することで、様々な部品を全自動で解析、レポート化することが可能です。Pythonスクリプトを利用しての測定プランや解析の自動化も可能ですし、TCP/IPを使用した外部機器との統合も可能となっております。

測定可能な対象物の具体例

アリコナG5 plusやアリコナSLで測定可能な切削工具や自動車部品航空機部品、電気電子部品はµCMMでも測定可能です。
更に従来機で測定ができなかった透明体である、ガラス、レンズ、プリズム、半透明の樹脂も測定可能です。
他にも、鏡面やハレーションが起きやすいサンプルも測定可能です。
具体的には、金型(ミラーやクロムメッキやDLCなどのコーティング)、シリコンウエハー、各種樹脂、PCD、CFRP、セラミック、などです。

トレーサビリティー

PTB(ドイツ国立物理工学研究所)、NPL(イギリス国立物理学研究所)までトレーサブルなキャリブレーションを行っております。
PTBやNPLとは日本の産業技術総合研究所のような機関で、世界的に、特にヨーロッパにおいて権威のある研究所となります。

非接触三次元測定校正ツール

カタログダウンロード、製品ラインナップ、事例集

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カタログダウンロード、製品ラインナップ

カタログは以下のバナー(左)よりダウンロードいただけます。製品ラインナップは以下バナー(右)よりご覧ください。
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非接触三次元測定機カタログダウンロードボタン
非接触三次元測定機製品ラインナップボタン

事例集

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非接触三次元測定機測定事例集ボタン
非接触三次元測定機導入事例集ボタン

仕様

全般仕様
測定原理 焦点移動法にもとづく非接触三次元測定
<測定テーブルストローク(XY) 310mm x 310mm
垂直方向ストローク(Z) 310mm
測定機サイズ(W x D x H) 950mm x 900mm x 1958(Max2288)mm
測定機重量 1250kg
テーブル駆動速度 ~100mm/s
コンプレッサーエアー 7bar
照明 LED落射照明(グレースケール表示)
リングライト(オプション)
対物レンズ仕様
対物レンズの倍率 >5倍 10倍 20倍 50倍
ワーキングディスタンス mm 23.5 17.5 19.0 11.0
視野範囲(X方向) mm 2.63 1.32 0.66 0.26
視野範囲(Y方向) mm 2.63 1.32 0.66 0.26

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